日はまた昇る

鬼木達スペシャルインタビュー

決意の朝

 11月25日の朝、目覚めたときに決断は変わっていなかった。このとき、鬼木達の引退は決まった。それまでの間、引退を意識するほど「サッカーを続けたい」という思いはむしろ高まっていたし、やれるならばどこへ行っても続けたいという意志をもっていた。でも、チームへ報告するリミットが近づくにつれ、気持ちは揺れていった。 「やりたい気持ちはあるけれど、もしも新しいチームへ行ったとしても、怪我で1年通じて貢献することは難しいだろうと思ったし、自分の体のことは自分が一番わかっているからね。体の調子がいいときは普通にできちゃうし、みんなとやっていてもまだまだやれるなって思ってしまう。ギリギリまで来年もプレーするつもりでいたから、結論を出したことは自分でも不思議なんだけど。最終的には24日の夜、寝る前にずっと考えてやめるという結論を出した。やればやるほど、コンディションが上がってはケガをしてしまうという繰り返しが多かったし、思いっきり走ってなんぼの選手だから、それができなくなると自分でも歯がゆかった。朝起きて、気持ちが変わらなかったらチームにそう伝えようって決めた」