平野です。昨年の初夏、フロントの方がお見えになりました。
チームの中で、来年はぜひ岡本太郎と一緒になって戦いたいという声があり、そんなことができるだろうか。全くわからないけれども、可能性はあるだろうか?というご相談でした。
実はその時、僕はやんわりとお断りしました。そんなに簡単に考えないでほしい、岡本太郎は、下敷きに張るシールとは違うんだから。そういう風にお話ししました。
しかし、フロントの皆さんは、情熱的にアプローチを続けてくれました。川崎フロンターレは地域に根ざしたチームでありたいと願っている。川崎の名誉市民でもあり、川崎の誇りである岡本太郎とぜひ一緒に戦わせてほしい。何より、我々自身が太郎さんのように戦いたい。太郎のエネルギーとともにタイトルを目指したい。というふうに熱く語っていました。とにかく一回見に来てくれ、とおっしゃいました。
僕は去年の夏、等々力で試合を拝見しました。試合だけではなくて、サポーターの皆さんの表情、そして選手の皆さんにもお目にかかりましたし、サポーターの代表の方とも話をしました。ああ、このチームなら大丈夫だ。太郎と一緒に戦う意味があるチームだ。というふうに思いました。
岡本太郎は、その長い芸術活動の中で、プロのスポーツチームと一緒になったことは一度しかありません。それは、友人だった千葉茂さんが、近鉄バファローズの監督になったとき、その就任祝いとしてあの有名な猛牛のマークをプレゼントしたんです。
今回のこのコラボレーションは、それ以来50年ぶり、2回目のことです。
これからこの1年、選手の皆さん、フロント、そしてサポーターの皆さん、ともに太郎を背負って戦っていかねばなりません。それで何を目指すのか。もちろん頂点であります。1年後、皆さんと一緒に、太郎とともに乾杯したいと願っています。どうぞよろしくお願いいたします。