2005/vol.07
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2003年は、今野章にとって特別な1年となった。レギュラーとして昇格争いをしたことで、かつてない充実感を味わい、それ以上の緊張感や葛藤とも対峙した。「最後の一戦で結果が出たときに自分がどんな気持ちになるだろうか」と、シーズン途中に話していたのだが…。 当時の気持ちを振り返ってもらった。 「なんか、すっきりしない気持ちというか、ここまでやってきたのに上がれなかったという現実を突きつけられて『あぁ』って。最初はなかなか悔しさが抜けなかったけど、日にちが経つにつれて、試合に出られて自分にとってはいい1年だったって思えるようになったかな」 そして、昨年フロンターレはJ1昇格。今野にとっても今年は5年ぶりとなるJ1となったが、開幕数日前にケガをしてしまい、リハビリスタートとなった。 「プロ9年目で、開幕戦に出たのはたった2回。だから、開幕への思いっていうのは強いんです。キャンプに入ってチームメイトがまずは仲良くなって、そこから競争して絞られていって開幕に出るっていう流れに入っていけるのが理想だし。自分にとっては、すごく気持ちの持ち方が難しい時期でもあるんだけど、今年は本当に久しぶりにケガをしてしまったので、逆に開き直ってリハビリに取り組んでましたね」 |
フロンターレは昨年以来、主に我那覇、ジュニーニョ、マルクスの陣容で攻撃は組み立てられてきたが、我那覇、マルクスがアクシデントで立て続けに離脱。リハビリを消化した今野がスタメン入りしたのは5月21日ヤマザキナビスコカップ第3節対広島戦から。リーグ戦で3連敗を喫していたフロンターレは、広島戦で4対1と快勝し建て直しのキッカケとなった。 |
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「簡単にジュニーニョに預けると、ジュニーニョが2、3人に囲まれるでしょう、だから自分にボールがかえってくるときはプレッシャーがあんまりない状況でプレーができるっていうのもあるし、逆に自分が囲まれているときには、厳しいところでも、もらいにきてくれる。オレは、『周りを活かすタイプの選手だ』って言ってもらうこともあるけど、ほんとは周りに活かされてるんだよね。ジュニーニョ、ケンゴっていう攻撃の“核”になるところとうまく絡んで、それで、最後においしいところで点が取れれば最高だけど(笑)、そうはなかなかいかないんだけどね」 |
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「『見返したい』なんて気持ちは全然ないけどね。でも、『おお、頑張ってるな』っていうところを見せたいって感じかな。ジュビロの選手もあんまり変わってないしね。昔よりも自分も落ち着いてプレーできるようになったし、うちのチームも戦術がしっかりして自分たちがやるべきサッカーがあるから。昔は、『勝てないなぁ』って感じることもあったけど、いまは『勝たなきゃ』って感じられるからね。とにかく試合に出て勝つことがいちばん。試合に出ない経験っていうのはいっぱいしたからね。だから、できるだけ試合に出たい。リーグ戦に1試合でも出たい。それで、勝ちたい」 |
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2000年、ジュビロ磐田より移籍した攻撃的ミッドフィルダー。ボランチと破壊力ある攻撃陣のつなぎ役としてチームに欠かせない存在だ。1974年9月12日生まれ。岩手県出身。165cm、56kg。 |
そして、今野はちょっと力強い口調でこう言った。 |